大財閥〈篠沢(しのざわ)グループ〉の先代会長だった父の急死を機に、17歳でその後継者となった一人娘の絢乃(あやの)。 そんな彼女を献身的に支えるのは、8歳年上の秘書・桐島(きりしま)貢(みつぐ)。彼は自身をパワハラから救ってくれた絢乃に好意を抱いていて、その恩返しに秘書となったのだった。 絢乃もまた桐島に初めての恋をしていたが、自分の立場や世間の注目が彼に集まってしまうことを危惧して、その恋心を内に秘めていた。 ところがある日の帰宅時、桐島の車の中で彼にキスをされたことにより、絢乃は彼の自分への秘めた想いに気づいてしまう──。 初恋に揺れ動くキュートなお嬢さま会長と、年上ポンコツ秘書との身分の差・境遇の格差を越えたラブストーリー。
横浜、海の街。 昼間は哲学科の女子大生、夜はヘルス嬢として生きる「美波」は、足りない何かを求めて肌を交わしていた。 そして客として出会った年上の院生「浩」。 しかし彼は身体中に染みが広がる難病に罹り、床の上で最期の時を待っていたー。 誰かに求められること、必要とされることを欲して翳りのある生を費やす2人。 天国の向こう側には、何があるのか。 やがて、静かに心も交わして。