断ち切られた絆
あんなに強固だと信じていた絆はいとも容易く断ち切られてしまった。唐突に、そして決定的に。それは不可逆な事態だった。あらかじめ定められていた運命だった。強固だと信じている絆ほど容易く断ち切れる、それは珍しくもなんともない、往々にしてあることだ、絆とはそういうものだ。自分だけが想いを募らせていたのかという羞恥!屈辱!自分が相手を想っているのと同等に、あるいはそれ以上に相手も自分を想ってくれているなどという保証はどこにもない。保証がないのに、人はその妄想をよすがに生きようとする。だが今や、妄想は真実のふりをするのをやめてしまった!すべては終わったのだ。いや、始まってすらいなかったのだ。すべては始まる前に決着していたのだ。絆とは脆いものだ。そう悟らせた人の罪の重さはいかほどか?容易く信じてしまった私の罪の重さはいかほどか?天秤はどちらに傾くだろうか?
断ち切られた絆