お気に入りの音楽 116

お気に入りの音楽 116

妖艶! 衣装もテンポも賛否両論

 YouTubeを観るようになって、仰天した女性ピアニストがふたりいる。
 中国出身のユジャ・ワンと今回投稿のカティア・ブニアティシヴィリ(覚えられない)。
 超ミニスカートにハイヒールのユジャ・ワンに対して、カティアは豊かなバスト……
 このふたりと共演するメンバーや指揮者は、なに思う?
 観客は断然男性が多い。クラシックのコンサート、リサイタルに観客席から口笛が。

https://youtube.com/shorts/OUEkY_SQ66Y?feature=share
ユジャ・ワン

https://youtube.com/shorts/VE_K-hXzaFA?feature=share
たった45秒だけれど妖艶なカティア。

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 カティア・ブニアティシヴィリ(1987年6月21日-)は、ジョージア(グルジア)出身のピアニスト。フランス・パリ在住。
 3歳の時に母親の下でピアノのレッスンを始めた 。
 6歳でトビリシ(ジョージアの首都)の室内管弦楽団と初のコンサートを行い、10歳からヨーロッパ、ウクライナ、アルメニア、イスラエル、アメリカ合衆国でコンサートを行った 。
 1999年、12歳のときにミシェル・ソニーが主宰するSOSタレント財団において彼に師事 。
  トビリシ中央音楽学校を卒業後、2004年にトビリシ州立音楽院に入学。
 その後、トビリシで行われたピアノコンクールでオレグ・マイセンベルクに見いだされ、ウィーン国立音楽大学へ転籍。
 2008年、カーネギー・ホールでデビュー。
 2010年にボレッティ・ブイトーニ財団賞を受賞。BBCシリーズの新世代アーティストにも加わった 。
 ウィーン楽友協会とウィーン・コンツェルトハウスにより2011-12シーズンのライジングスターとしてノミネートされ、2012年にはエコー・クラシック賞で最優秀新人賞を受賞した 。
 ブニアティシヴィリは、パリ管弦楽団(パーヴォ・ヤルヴィ指揮)、ロサンゼルス交響楽団、ウィーン交響楽団、フランス国立管弦楽団(ダニエレ・ガッティ指揮)、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団等のオーケストラと共演してきた。  
 また、ギドン・クレーメルやルノー・カピュソン等のヴァイオリニストとも共演している 。
 母国語であるグルジア語の他、フランス語、英語、ドイツ語、ロシア語等を話す。

Khatia Buniatishvili - Schubert - Behind the Scenes
https://youtu.be/kQYW_jqpycM

 美しい……女優かモデルか、ピアニスト。

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『月光』と『シンドラーのリスト』をミックス。
https://youtu.be/mzvS_pqOB7E

 胸と横っ腹が大きく開いた素敵なドレス。
 髪をかきあげ、観客の歓声はすごい。

『シンドラーのリスト』は、スティーヴン・スピルバーグ監督による1993年のアメリカ映画。
 第二次世界大戦時にドイツによるユダヤ人の組織的大量虐殺(ホロコースト)が東欧のドイツ占領地で進む中、ドイツ人実業家オスカー・シンドラーが1100人以上ものポーランド系ユダヤ人を自身が経営する軍需工場に必要な生産力だという名目で絶滅収容所送りを阻止し、その命を救った実話を描く。
 ホロコーストに関する映画の代表的作品として知られる。

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『リベルタンゴ』おねえさんとの連弾。
https://youtu.be/W_Jy3_q89-A

 美人姉妹。赤と黒のドレス。ふたりとも豊かなバスト。

 ブニアティシヴィリは、ピアノを「音楽の孤独の象徴」と表現しており、曲の解釈を非常に深く追求した、非常に技巧的な演奏を行う。
 その解釈に基づいた演奏については評価を二分する要因になっていることもあるが、協奏曲の演奏におけるオーケストラとの一体感は非常に高い。
 また、自身の容姿、演奏スタイル、音楽への取り組み方を全面に押し出した様々なモデル活動、トーク番組、ドキュメント番組にも積極的に取り組み、「ピアノ界のビヨンセ」と呼ばれたこともある。
 2017年のフランスF2のドキュメンタリー番組"Stupéfiant!"は、
「ブニアティシヴィリは自身の演奏のポリシーと魅力を世界中に余すところなく披露しているが、プーチンのいるロシアではそれを拒んでいる」
と述べた。
 また、2017年7月に開催されたパリ祭についても、ゲルギエフが指揮を担当することになったため出演を断ったと伝えられた。
 インタビューによるとゲルギエフがプーチン政権を後押ししていることがその理由であると述べている。

 カティアさん、ウクライナ侵攻以前から……

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 ロシアのウクライナ侵攻が、クラシック音楽の世界にも深刻な影響を及ぼしている。
 プーチン大統領との関係が深い世界的指揮者のワレリー・ゲルギエフ氏は国外のほぼ全てのポジションを失い、他の多くのロシア人音楽家までが演奏の場を奪われかねない事態に陥っている。
 軍事侵攻が始まった2月24日、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューヨーク公演の降板が発表された。ミラノ・スカラ座も同氏に公演の降板を要求、スイスの音楽祭の音楽監督やミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者の職も解かれた。
 所属事務所の社長も2月27日、同氏の解雇を発表した。
「あらゆる芸術は政治的だが、あらゆる芸術家が政治家であるとは限らない」
と踏まえつつ、
「戦争を起こした独裁政権に、直接的にも間接的にも利することを知りながら、拒絶の意を示さない芸術家にプロ(のマネジメント)としてこれ以上奉仕することはできない」
との声明で立場を明確にした。
https://www.asahi.com/ゆarticles/ASQ396DH3Q39ULZU00M.html

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 ブニアティシヴィリ は2010年、Sony Classicalと独占契約 。
 2011年のデビューアルバムはリスト生誕200周年を記念したものであり、ソナタロ短調、愛の夢第3番、ラ・カンパネッラ、ハンガリー狂詩曲第2番、メフィスト・ワルツが収録されている 。
 このアルバムについて、Classic FMは
「ブニアティシヴィリは若い頃のマルタ・アルゲリッチを彷彿する激しい気性と技法を持つ若いアーティストである」
とアルバムのレビューで述べている 。
 一方、グラモフォン誌はあまり印象を残していない。Jed Distlerはその批評において
「愛の夢第3番は構成においてもリズムおいても曖昧である」
と批評し、
「彼女の特徴である落ちつかないリズム感、計算外の躍動感、全体的な無計画さも何度か聞いているうちに次第に薄れてくる」
と述べている 。

愛の夢第3番(リスト)
https://youtu.be/IA6lHbEv3g8

 彼女の評価が分かれている愛の夢。
 ここまでムーディーに弾くピアニスト、見たことがありません。
(衣装も)テンポもなかなかギリギリを攻めているなといったかんじ。
 おそらく楽譜に忠実に弾くことに重きを置く人からは敬遠される演奏なのではないかと。
 でも、愛とセクシーさというのはどうしても切り離せないものがあるのも事実。
 彼女の演奏はそれを惜しみなく表現しているなと感じます。
 個人的にはこれも一つの名演だと言えるんじゃないかと思う次第です。
https://narushare.com/khatia-buniatishvili/


 この録音の後には、2012年にショパンのアルバムを出した。このアルバムには独奏曲とピアノ協奏曲第2番ヘ短調(パリ管弦楽団、パーヴォ・ヤルヴィ指揮)から構成された。
 ガーディアン誌は
「これは今日の最もエキサイティングで技術的に才能のある若いピアニストが本心からストレートに弾いている」
とレポートしている 。
 一方、グラモフォンは、ピアノ協奏曲の録音について
「休止の欠如と過度に速い演奏」
と批判した 。

ピアノ協奏曲の動画はありませんでした、

ショパンエチュード 革命
https://youtu.be/zMIFAFJ0FG4

バラード4番(ショパン)
https://youtu.be/ue1pw00KYm8

 ショパン屈指の難曲として名高いこちらの一曲。
 最後のコーダ、派手に締めくくるんだろうなあって聴く前から思いましたが、案の定ってかんじ。
 にしても、あの難しいコーダをノールックで弾いてるの逆にすごいですよね。(結構ミスタッチしてるのはご愛嬌。)
 あと、カティア・ブニアティシヴィリの演奏を見ていると、前髪(なのかサイドなのか……?)が目を完全に覆ってしまうこともしばしば。
 で、片手が空いている隙に前髪を振り払う、というのがお決まりパターン。この仕草がまた超セクシーなんですよね。
 最初からもうちょっと髪型工夫できないの?とか色々ツッコミを受けそうなものですが、最近もブレずにこのヘアスタイルを貫いている模様。
https://narushare.com/khatia-buniatishvili/

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https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ピアノ協奏曲_(グリーグ)
https://youtu.be/zMq7sKePlQ0
トゥガン・ソヒエフ指揮
トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団

 ピアノ協奏曲イ短調 作品16は、エドヴァルド・グリーグが1868年、25歳のときに完成させた唯一の協奏曲。数あるピアノ協奏曲の中でも、非常に人気の高い曲であり、またグリーグの代表的な曲である。

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 2022年3月、ロシアの指揮者T・ソヒエフが、ロシアのボリショイ劇場の音楽監督と、西側諸国内での拠点であるトゥールーズ・キャピトル管弦楽団の音楽監督の両方のポストを同時に辞任した。

https://www.kajimotomusic.com/news/2022-03-07/

 国籍のことなど、私たちは考えたこともありませんでした。私たちは共に音楽を創りあげることを楽しんでいたのです。
 
 この数日というもの、私はこれまで想像だにしなかったものを目の当たりにしています。今、私はヨーロッパで選択を迫られ、仲間の音楽家たちの中からどちらか一方を選ぶことを余儀なくされています。
 私は、どちらかひとつの文化的伝統を選ぶよう求められています。
 私は、特定のアーティストを選ぶよう求められています。
 私は、特定の歌手を選ぶよう求められています。
 まもなく私は、チャイコフスキーやストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチと、ベートーヴェン、ブラームス、ドビュッシーのどちらかを選ぶようにと求められるでしょう。
 ヨーロッパの一国であるポーランドでは、すでにロシア音楽が禁止されています。

 私は、仲間であるアーティスト、俳優、歌手、ダンサー、指揮者たちが脅され、不当に扱われ、“キャンセル文化”の犠牲になっている様を目撃することに耐えられません。
 
 私たち音楽家は、ショスタコーヴィチの音楽を通して戦争の悲惨さを人々に思い起こさせるために存在しているのです。
 私たち音楽家は、平和の使者なのです。今や私たちや私たちの音楽は国や人々を結びつけるために用いられるのではなく、分断され、排斥されようとしています。

 以上のような理由から、そして、愛するロシアの音楽家たちと愛するフランスの音楽家たちのどちらかを選ぶという不可能な選択を迫られたことから、私はモスクワのボリショイ劇場とトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の音楽監督の職を即刻辞任することにしました。
 この決断は、私がボリショイ劇場や トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の音楽家たちと知り合うことができてとても幸運であったということをお伝えするためのものです。
 これら2つの団体の素晴らしいアーティストたちと音楽を創ることは常に光栄なことであり、私はこれからも「音楽家」として彼らの側にいます!!!!!!!

 妖艶なカティアから始まり、戦争と音楽に……

 ソヒエフさん、2023年1月に来日して、N響を指揮していたようです。

お気に入りの音楽 116

お気に入りの音楽 116

  • 随筆・エッセイ
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-11-17

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