雨が降ると、私はカイに会いに行く。耳の中で波の音が聞こえる。カイが呼んでいる。死んでしまったカイの元へ、私は早く行かなくてはと思う。私は雨の中、海を眺めながら缶ビールを飲む。私はお酒がやめられない。私は長雨のようにお酒を飲み続ける。私はカイを殺してしまったのだと思う。
【あらすじ】眠る者の望み通りの夢を見せてくれる花。その花を求めて青年はある花屋を訪ねた。だが、店主には「花を売れない」と断られてしまう。どうしても花が欲しい青年は、花屋から強引に花を盗んだのだが……花に夢を求めた人間のお話。短編。