これは、あったかもしれない〈桃太郎〉の真実の話。 ドンブラコドンブラコと川に流れていた桃が、おじいさんおばあさんに拾われなかったことから物語は始まる。
「生きるってなんなんだろうね」 消える少女、少女の残す意味深な台詞、少年と周囲の間に生じる認識の齟齬。少年は、その謎を解明するべく行動を開始するが――
襲うエリザベータ、逃げるピョートル。彼が出会うは不思議の国の少年少女達。そして教わる不思議な力―――”クリエーション”。さて、ピョートル達は無事、元の世界へ帰れるのだろうか……?
時はエカチェリーナ二世の治世。プガチョフの乱以降増大した負担から逃げだしたピョートルとエリザベータ。そんな彼らの行き着く先は――なんと不思議の国であった!