古代ホーシア大陸には、人と竜によって築かれた国があったと言う。それら全てが伝説となった時代、竜が守護するとされるイスタムール国に、隣国との争いが勃発する。 そこへあらわれた竜の少年と、彼を監視し世話をすることを命じられた若い国官。国内に不穏な空気が流れる中、二人は次第に友情を育んでゆく。 竜と人、本来交わることのない二人の出会いは、彼らを取り巻く世界の奇妙な矛盾をも浮き彫りにして、彼らを翻弄するのだった。
太古の昔、ホーシア大陸には人と竜が築いた国があったと言う。けれど今や、竜はおとぎ話の住人で、誰もその姿を見たことはない。 竜が守護するというイスタムール国で生まれた、ある子供の物語。