錐島郁夫

錐島郁夫

日記

同じ日記を綴り、くり返し昏倒する男と、それを見舞う私。自殺防止の看板は現実に存在するのだろうか。そして日記はいかにして現実になっていくのだろうか。

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冥界解明迷宮 ~朝顔の棘~

そのゲームは『冥界解明迷宮』という。二人一組で、鍾乳洞の地下迷宮を攻略するというものだ。エスケープルートは無いらしく、生還率は30パーセントに満たない。残りの70%以上の人々は迷宮をさまよい続けており、いつしかそこで職につき、地下でしか通用しない通貨を得て、生活を始めているともいう。

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嘆願書 人魚の生態に纏わる仮説と実証

ハネムーン。珊瑚の産卵する満月の海に遊ぶ二人を、人魚の群れが襲った。男は生物学者として人魚を追い、その成果は着実にあがりつつあったのだが、突如として、警察の手に落ちてしまった。 いわれなき罪を叫ぶ男が暴いたおぞましき人魚の生態。人類に未来はあるのか。男の訴えは届くのか。全てはこれを読んだ者にかかっている。 暴かれた人魚の生態の一例:人魚は上しか向けず、汗をかかない。臍で呼吸をし、常に鼻水を垂らしている 他。

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串刺し王の玩具

家業だったレース編の技法「波頭の薔薇」を修得することができず、貧困の家庭にいられなくなった男は、職を求めて国で二番目の都市へやってきた。 無為に日々をすごす男は、宿の女主人に「病気に違いないから病院へいくべきだ」と勧め進められ、押し切られる形で病院へかかる。 診察は尋問のように行われ、なすすべも無く療養所送りとなる。 気がつくと男は「串刺し王の玩具」と呼ばれる塔の内部にいた。そこでは、「飛ぶもの達」の集会が行われていたのだ。 出口の無い塔を自由に出入りする飛ぶものたちを尻目に、男は食料を求めて塔の内部をさまよい続ける。なぜ、生きようとするのかも分からなくなった時、遠い日に、母が丹精していたレース編に出会う。男は螺旋階段を駆け上がり、空を見上げる。飛ぶものたちの出現を待って……

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嘘つき

一年分の収入で連泊可能な宿泊施設を探し、全額を前払いして暮らす、住所不定の作家、戸五指久義。宿泊施設から全く外出せずに書き続ける彼のルーツを探る。

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七面鳥の夜に

クリスマスの夜。七面鳥を抱えて家路へのバスに乗る男。そのバスの運転手。バスの運転手が気にかけている路上の少女。その少女と境遇を同じくする少年。そんな人たちの灯す炎。

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しゃべらせてよ ―2002年の年末年始

「しゃべらせてよ、暇なんだから。」 クリスマスは恋人と過ごす、っていうかクリスマスを一緒にすごしたってことは、二人は恋人同士ってこと。出るとこ出て、食べるもの食べて、もらうものもらったら、やることやって、で、しばしのお別れ、年末へなだれ込んでるのよ。これ読んじゃったあなたは、もう駄目。絶対にそうなるから。元旦に年賀状送るね。そろそろ締め切り近いじゃない。筆ペンで。年に一回しか使わない筆ペンで年賀状。そうだ、今日は年賀状かいちゃおう。って、もう夕方じゃん。忙しいってのにまったく

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水晶のような石を拾う

「いいっていいって。でも、こんなところにある石、よく見つけたね」 僕がそういうと、かをりとみづはさんとは顔を見合わせて笑った。 「錐島がそういうこと言う?」 「これを見つけるなら、多分錐島さんかなって、話してたんだよね」 信号は赤になり、集団から完全に取り残された僕達は、それからしばらく最近みかけたり、収集した、心惹かれるものについて話し合った。

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青梅線にて

なんとなく日々を暮らす僕の前に転がった一人の老人。中神から拝島までの短い間に、僕の心に去来する思い。

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百合の花

僕が一目ぼれした花の絵。でも彼女はその絵がお気に召さないようだった。

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