君影草と魔法の365日-第8話

君影草と魔法の365日-第8話

招待状

いつもと変わらない昼下がり。

午前授業の学校を終えたすずは学生寮に戻りました。

「ただいま…ってテツさん、その格好で歩き回るのやめて欲しいの」

玄関にはステテコ姿で掃き掃除をする管理人のテツさん。

当然お洒落な部屋着ではなく、白いTシャツに映えない緑のシマシマなアレです。

「うるせぇ。どんな格好してようと俺の勝手だ」

絶対この人は彼女できない。

絶対この人は結婚できない。

そう思いながら部屋に向かおうとすると…

「おい鈴音。手紙が届いてっから持ってきな」

彼は腰の辺りをまさぐると一通の封筒を取り出しました。

…って、どっから出てきた?

「ありがとう」

受け取った彼女は差出人の名前を見て驚きます。

ドキドキ高鳴る胸を抑えて駆け足で部屋に戻りました。

手にしている封筒には可愛いスタンプが捺されています。

その手紙はミスキーキー先生から。

つい乱暴に開けた事は後悔しましたが…

次の瞬間には嬉しさのあまりトリプルターンを決めていました。

「やった! 私にも来たの!!」

それは“茶話会”に招待する旨の案内状でした。

ミスキーキー先生が主催する茶話会は参加出来るだけで一目置かれる選ばれた生徒だけの集まりです。

表向きは先生と生徒の親睦会なんですがそこで彼女に認めてもらう事こそ皆の目標。

才色兼備の大人を目指すすずにとって無視出来ないイベントなんです。

彼女は早速ランカを誘って茶話会の練習です。

「先生は茶道の師範代。全力でアピールするの」

「お茶菓子は隣町の有名パティシエが作ったケーキらしいよ。楽しみだね」

すずはとても張り切っていますがランカは評価を気にしていない様子。

「マナーも大切だけど楽しい時間を過ごしてこその茶話会だと思うよ」

そう言って紅茶を飲む彼女は普段のお茶会なノリです。

『今回こそランカに勝てるかもしれない…』

ふとそんな考えが頭によぎりました。

努力に努力を重ねて地元では常にトップの成績だった彼女。

しかし箱庭に来てからは思う様に結果を残せていません。

どんなに自信のあったテストでも、前には必ずランカがいました。

無二の親友であり強力なライバル。

彼女を抜けば魔法学校でも自分が1番。

入試で次席に甘んじた雪の日から、ずっと心にしまっていた想い。

すずの瞳に一瞬だけ普段と違う色が浮かびました。

頑張り屋さん

「すずってさ。なんで1番にこだわるんだろ?」

リリーは不思議に思いました。

最初誘われた時はお茶くらいいくらでも付き合ってやるって思っていたのです。

しかしすずの練習に対するこだわりは半端がなく、その度に注がれる紅茶でお腹がタプタプになっていました。

「これ以上飲んだら血も涙も全部紅茶になっちゃいそうだよ」

彼女のお腹は見た目に分かるほど膨れていて飛ぶにも重たそうです。

「すずは自分に妥協が出来ないんだと思うよ。良く言えば頑張り屋さんなんだけどね」

ランカが視線を移すと、少し離れたテーブルで難しい顔をしたすずが紅茶とにらめっこしています。

「アタイには分からないね。成績にも関係ない評価に頑張り過ぎだろ?」

「う~ん。確かに無理をし過ぎて肝心な所で結果を出せない事も多い気がするね」

でもすずって基本は笑顔なんです。

遊んでる時はもちろん。

机で勉強してる時も。

実技訓練してる時も。

先生に注意されてる時も。

ふざけてるって意味じゃなくて、本当にイキイキとしているんです。

それをランカは分かっていました。

「すずの言葉を借りるなら、自分の事をもっと好きになれる様に毎日が真剣勝負なんだよ」

彼女はそんなすずが羨まく思えます。

ランカは成績こそ常にトップで転んだことさえ有りませんが、将来や夢の話になるとてんで自分というものがありません。

リスクとリターン自然に察知し、人より三歩先を予見して行動できる彼女には、大抵の事柄の結末が見えてしまいました。

それは優れたセンスでしたが好奇心や探求心を奪うものでもあります。

何も無い日常に飽きていました。

当然、将来の夢なんか見つかりません。

自分でも可愛くないと自覚するほど冷めていたんです。

でも、すずと遊ぶ様になって何かが変わりました。

世界が不思議で満ち溢れている事を改めて知ったのです。

「何事も全力で取り組めるって素敵な事よ」

「そんなモンかな? もっと要領よくやればいいと思うけど」

そう言いつつリリーはすずの側にいきました。

もう少しなら紅茶を飲めそうな気がします。

「今度ケーキ食べる時はすずから2クチ貰うからな」

「ありがとう。約束するの」

新しくミニチュアのカップに紅茶が注がれるのを見て、ふとリリーは思います。

つか練習なら本当に入れなくていいよな?

つかミニチュアの食器使って練習になってんのか?

食卓

「おい鈴音。ミスキーキー先生の茶話会に招待されたんだってな。やったじゃねーか」

そう言いながらテツさんは里芋をパクリ。

続いて白い御飯を掻き込みました。

ここは管理人室兼彼の部屋。

すずと二人で夕飯が乗ったちゃぶ台を囲んでいます。

学生寮では自炊をしなくても、キチンと三度の食事が提供されます。

本来は食堂に集まるものですが、現在の寮生は彼女1人だけ。

広い部屋で一人ぼっちの食事なんて寂しいったらありません。

そこでテツさんは自分の部屋で食事する事を提案してくれたんです。

「えっ? なんで? どこで聞いたの?」

「まぁなんだ、別に聞き耳立ててた訳じゃねーけどな。アレだけ騒いでりゃ聞こえるぜ?」

「うん。これでランカと一緒に出られるの」

そう答えるすずは嬉しそうにしている様で少し浮かない顔。

意外なリアクションにテツさんは心配します。

「どうした? 嬉しくないのか?」

「服…なの」

それはお洒落を気にする女の子にとって大問題でした。

すずには制服以外に外へ着て行ける様な服が無いのです。

放課後は制服のまま。

お休みは部屋着でランカとお茶。

どーにかこれまでは誤魔化していました。

でもミスキーキー先生の茶話会は日曜日。

しかも私服で良いと明記されています。

アイドルを夢見てお洒落を語っていたのに、可愛い服一着持ってない事がバレるなんて、すずには耐えられません。

彼女にとって絶望的な状況です。

「そうか」

それ以上なにも言わずテツさんは箸を進めます。

すずも静かに食事を続けました。

『余計な事を言っちゃったな』

彼女は後悔しました。

毎日、一緒に食事をしてすっかり打ち解けた二人。

すずはテツさんが家族の様な気持ちになっていました。

でも彼は他人。

服を買ってもらう訳にもいきません。

どうにもならない事を口にする事が、どれだけ無意味で相手に気を遣わせるか知っていたハズなのに。

気まずい雰囲気のまま食事が終わります。

「ご馳走さま」

すずはいつも通り食器を洗うと、リリーの御飯をこっそり携えて温室へ向かおうとしました。

すると…

「鈴音、ちょっと付き合えや」

テツさんはすずを連れて、普段は全く立ち入らない方へ歩き出しました。

そこの廊下は掃除が行き届いておらず、埃だらけとは言いませんが長く使っていない様子です。

やがて建物の端までくると、空室になっている部屋の前で止まりました。

「…テツさん?」

赤い石

扉を開けた中は部屋まるごと全部クローゼットの様でした。

所狭しと置かれたプラスチックのケースには、綺麗にしまわれたブラウスやワンピース。

壁には沢山のハンガーが設置されていて、コートやスーツ等がかけられています。

他にもパンツやスカート、ベルトに靴、鞄や帽子、小物等々数え切れないアイテムが保管されていました。

そのほとんどがレディースです。

「驚いたか?」

「驚いたの。…テツさんって女装癖?」

おっと、冗談なのにゲンコツ痛そーです。

「卒業生が在校生の為に残してったもんだ」

昔は服も鞄も気軽に買える様な値段ではありませんでした。

苦学生はすずと同じく服までお金がまわりません。

優しい先輩方は不要になった服を…いや、中には大切にしている服を後輩の為に残していったのです。

「いまじゃ若者向けの安い服屋なんかもできたからな。それにデザインが古いとかで欲しがるヤツがいねぇんだ」

確かに少し時代遅れなものもあります。

古着感も拭えません。

しかし、すずにとっては宝物の山でした。

「すごい! すごいの!」

流行は繰り返すものですし、ちょっとリメイクすればお洒落に着こなす自信が彼女にはあります。

それに長く眠らせていたらしいのに、ちっとも傷んだ様子がありません。

きっとテツさんが定期的に空気を通したりと管理してくれたお陰です。

これならセレクトショップでコーディネートしてるクラスメイトにも負けません。

「ありがとう! テツさん!」

「おい…まてまて(汗)」

飛び跳ねて抱き付くと、テツさんは本気で照れて顔を赤くします。

すずは改めて見せてもらう約束をすると、意気揚々と温室へやってきました。

「ご機嫌だね。更にイイ事でもあったのかい?」

「まあね」

リリーに御飯を渡すとガーデンテーブルに座ります。

その手には透き通る赤い綺麗な石。

以前、地底人からお礼に貰った物の1つです。

すずとランカ二人の物として、温室に隠してありました。

「これで茶話会はバッチリなの」

覗きこむと何故か心が落ち着きました。

月の光が石を通して、彼女の瞳に血の様な深い赤を宿らせます。

「大丈夫…大丈夫…負けない…負けない…」

ふっと明かりが消えます…?

蒼い闇の中で赤い光を受けた瞳は、より一層妖しく輝きました。

茶話会

当日、すずとランカは待ち合わせをして会場へ向かいました。

「ブローチ可愛いね。すずってそーゆー服も持ってるんだ」

白と緑のギンガムチェックワンピース。

白のつばの広い帽子。

胸には蝶のブローチ。

それらは長身で色白のすずによく似合っています。

「いいでしょ?お気に入りなの♪」

茶話会の会場は前庭にある煉瓦敷きの広場でした。

格調高いデザインの大きな長テーブルには春らしい桜の花びらを刺繍したテーブルクロス。

真ん中には淡い桃色の小さな花が飾られていて、主張し過ぎずに華やかさを演出しています。

二人も含めて招待されたのは1つ星の10名。

みんな一様に緊張して落ち着かない様子です。

「こんなにもたくさんの人に集まってもらえて、先生はとても嬉しいわ」

ミスキーキー先生の挨拶と共に茶話会はスタートしました。

「ねぇねぇ、この苺のタルトすっごく美味しいね」

「紅茶も良い香り。どんなブレンドで引き出されるのかしら」

そんな中すずとランカは普段のお茶会と全く変わらない調子。

リラックスして会話を楽しんでいます。

楽しんでいる様に見えるのですが…

しかし、すずは痛い程実感していました。

『なんでランカは自然体でいられるの?』

本当は彼女も他の生徒同様に緊張と不安で一杯だったんです。

自分が引っ張ってもらっている事くらい分かっていました。

評価を気にして焦るほど、先生との会話も噛み合わなくなります。

せっかく練習した作法も真っ白になってしまいました。

比べてランカは他の参加者にも声を掛けて、しゃべれていない人を輪に入れる気遣いも忘れません。

なんで私はこんなに視野が狭くて、自己顕示欲が強いの?

すずはとても恥ずかしくなりました。

何をやってるんだろう。

見た目や形ばかりに気をとられて、自分は何も分かってない。

茶話会が楽しみだったんじゃない。

ただ格好良く見せようとしただけ。

“参加者”の肩書が欲しかっただけなんだ。

こんな気持ちでランカに勝つとか負けるとか…。

先生がスッと立ちます。

「“おもてなしの心”は招く側だけの話ではないのよ。招かれる側にも大切な心なの。皆さんにも“心”を養って欲しいのよ」

先生の挨拶をもって茶話会は終了しました。

鈴音の闇

今は夜明けの晩。

ここは後ろの正面。

漆黒の闇に照されてうつむいた私の姿だけが見えるの。

他には何も存在しない。

茶話会はあっけなく終わりを迎えちゃった。

結果は散々。

はぁ…。

魔法学校は楽しいけど勉強はそこそこ難しいの。

箱庭に来てから1番になってないな…。

それどころじゃない。

私程度の人なんて沢山いるの。

こんなんじゃカリンに笑われちゃうの。

すず…。

そんなに無理をしなくても良いんじゃない?

もういいんだよ?

うん。

それはわかってるの。

私はカリンになれない。

別に縛られてるわけじゃないよ。

今は純粋に自分の為。

自分の夢を目指してるだけなの。

わかってるよ!

わかってる!

自分の意志で努力を続けてるの。

信念とプライドを貫くの。

私は今の自分が好きだから…。

私は自分の意志で歩きたいの。

もう後悔したくないの。

私は顔を上げると私を直視した。

私の青い瞳に赤黒い何かが生まれる。

熱い。

一点だけが燃えるように熱い。

でも寒い。

凍てつく風が思考や感覚を奪うのに、身体が…心が寒さで震えてる。

冬。

あぁ私の大嫌いな冬なの。

さっきまで温もりのあった身体はどんどん熱を失っていく。

知ってる。

それはお別れの時なの。

その時、知ったの。

降り積もる雪が…。

もう思い出したよね?

忘れてしまうなんて酷いの。

違う。

忘れてたんじゃない。

もう私は同じ思いをしたくないから。

私は強くなりたいの。

守りたい。

答になってないわ。

大切だったのは私に都合が良かったから?

荷物になるならいらないの?

だから見捨てたの?

違うよ。

私は助けたかった。

私は守りたかった。

でも叶わなかったの。

本当は居なくなって嬉しかったんでしょ?

違うの。

ランカにも同じものを感じてるんでしょ?

違う。

結局私自身が一番可愛いんでしょ?

ランカは脅威なの。

邪魔なの。

不都合は消しちゃえばいいんだよ。

そうすれば私が1番になれる。

やめて。

1番になれる実力を身に付けたい訳じゃない。

私が1番上なら満足なんでしょ?

嫌…。

ランカの事も利用してるんでしょ?

お願…い…やめて…。

友情

学生寮の2階にある一室。

6畳ほどの部屋には備え付けのライトオークの机とベッドが置かれています。

観音開きの窓は開け放たれていて、白いレースのカーテンが風になびいていました。

外は良く晴れていて、暖かい光が優しく包んでくれます。

時刻は14時を過ぎた頃。

すずはベッドで仰向けに寝て天井をボンヤリ眺めていました。

彼女の部屋は綺麗に片付いた…と言うより物がとても少ない印象。

他には姿見の大きめな鏡が置いてあるだけで、他は全て机とクローゼットに収まっています。

「具合はどう?」

ランカは新しい濡れタオルをすずのオデコに乗せると、心配そうに顔を覗き込みました。

「ありがとうランカ。もう大丈夫なの」

「倒れてるの見つけた時は死んじゃったかと思ったよ」

ランカが彼女を発見したのは昨日の夕方。

茶話会の後の話です。

温室のガーデンテーブルから崩れる様に倒れていたすず。

辺りには赤い石の欠片が散乱していました。

「ごめんなさい。石一つ割っちゃった」

「いいよ。そんなの」

トメさん調合の解熱薬が効いたのか、39℃あった熱は微熱と言えるまで下がっていました。

「だいぶ楽になったし明日の朝には元気になってるの」

「良かった。あまり無理しないでね」

すずのチカラ無い笑顔がランカの心配を強くします。

「ねぇねぇ、何かあったならアタシに話してね」

直感。

すずは何かを抱えている。

ランカは時々感じていました。

でも時が来れば話してくれると思い、これまで黙って待っていたんです。

でも今はもっと早く声を掛ければ良かったと後悔していました。

「解決出来る事なんて少ないカモ知れないけど、一緒に悩む事くらいは出来ると思うよ」

すずは笑顔を見せると少しの間沈黙します。

その言葉に涙が滲んでいました。

優しい言葉はこれまで沢山かけてもらった事があります。

それらの殆どは他意など無く、本当に心配してくれているのだと分かってます。

ただ基本的に同情であり、本当の意味で彼女の立場になってくれていると思えませんでした。

それは人の優しさを素直に受け止められないすず自身の問題でもあります。

「ちょっと私の話をしてもいいかしら?」

「うん」

親友と言ってもまだランカと知り合って3ヶ月程度しかたっていません。

それはすずの勇気であり、ランカの友情がきっかけを作りました。

すずは箱庭に来る前の話を始めます。

親友

箱庭のある獅子公国の遥か北に位置するディディモス王国。

この国は10年前まで内乱が続いていました。

旧国王軍と革命軍の争いは熾烈を極め、多くの尊い命が奪われました。

すずに物心がついた時、戦争は終わっていましたが彼女は独りぼっち。

ストリートチルドレンの時代を経て孤児院に助けられます。

「私は修道院で育った戦災孤児なの」

修道院は貧乏でしたがマザーや修道女の皆は優しく温かで、傷付き凍ったすずの心を柔らかく包んでくれました。

彼女は思います。

自分も人の役に立ちたい。

自分も人の助けになりたい。

最初は修道女を目指して勉強を頑張りました。

成績が良ければ良い程、皆が喜んでくれました。

勉強して、勉強して、気付けば特待生として普通の学校に通う事になっていたんです。

しかし、世間一般の同い年のクラスメイトと学校生活を送るうちに、すずの心に変化が起こりました。

『修道女じゃ…だめなの…』

クラスメイトは毎日の様に違う服で登校して来ました。

鞄も文房具も教科書も新品です。

そして何より驚いたのは食事。

配給から作られた御飯を平気で残し捨ててしまいます。

理由は“マズイ”“キライ”“食べれない”

少ない料理を分け合って食べる修道院とは住む世界が違ったのです。

子供ながらに悟りました。

自分は修道院の皆が好き。

尊敬してる。

でも本当に人を助けるには力が必要だと。

「私がアイドルを目指す事を誓ったのは10才の時。キラキラしていて何でも出来てお金持ちそうだったから。笑われちゃうかも知れないけど、ずっと本気で目指してるの」

「可笑しくなんかないよ。凄いよすずは…」

「私ね、他の子には負けたくなくてね、ずっとずっと一番だったの」

それは勉強だけにとどまりません。

歌や踊りに絵・スポーツ等々、全てにおいて子供らしからぬ血の滲む努力が彼女を支えます。

「ふふふ。何を伝えたいのか自分で分からなくなっちゃった」

すずは天井に視線を移すと静かに続けます。

「だから、私が追い越すまで首席で在り続けてね。今の目標はランカなの」

ランカは嬉しく思いました。

多分、彼女が話したかった事は他にもあります。

でも今はいいのです。

初めて聞いたすずの過去。

すずの想い。

それを話してもらえた自分は本当の意味で親友になれたのだと実感しました。

「不思議だね。アタシはすずに憧れているよ。すずみたいになりたいと思ってるよ」

「え?」

二人は顔を見合わせると、クスクスと笑い出しました。

君影草と魔法の365日-第8話

君影草と魔法の365日-第8話

第8話 心を蝕む病魔。 動物や植物に酷似した亜人達の住む世界。 科学と魔法が共に栄える文明で紡がれる物語。 稚拙だけど等身大の全力。 君影草と魔法の365日。 愛娘と楽しい時間を過ごしたゲーム『とんがりボウシと魔法の365にち』より。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-05-30

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work
  1. 招待状
  2. 頑張り屋さん
  3. 食卓
  4. 赤い石
  5. 茶話会
  6. 鈴音の闇
  7. 友情
  8. 親友