かりそめの安寧
かりそめの安寧に縋ろうとすることの惨めさ
それを少しでも長引かせようとすることの虚しさ
そんなことは誰よりも自覚しているのに
それでも私はこの悪習を断つことができない
凭れかかる壁を失くしたときのことなんて考えたくもない
私は支えなしには立つことも歩くこともできない
たとえその支えが今にも崩れてしまいそうな支えでも
ないよりはましだと思う、縋らずにはいられない
その支えが使い物にならなくなるまで使い古す
そしてまた新しい支えを求めて私はさまよう
その繰り返し、私はいつになっても学習しない
こんなことを繰り返しても何にもならないことを
だが私は飽きたら捨てる者たちとは違う
私は飽きても壊れるまでそれを手放さない
かりそめの安寧を保とうとすることの虚しさにもう耐えられないというときが来たならば
私は過去のすべてを贄にして天にひれ伏すだろう
かりそめの安寧