短歌修行3
詠み始めた頃のものを交えて。ほとんどにダメだしできるぐらいには目端が効くようになったと自画自賛しておきます…。私の詠むものはほんと理屈っぽい。頑張りたい。
ミネソタの「タ」の字に折れる鉛色 黒板叩くかたさは白く
読経のノリに踊れるスカートは裾を伸ばした皺を隠した
半分の水を手渡しふわり浮く 気球真っ赤な街の灯包み
ベタついた二の腕ふれる仲で待つ雨音飲んだ紫陽花ふたつ
ポケットに仕舞えるぐらい紙切れ 日毎愛して好きに散らせる
白球の行方を追わぬ伴奏が外すソプラノ恋に跳ね馬
返すべき消しゴムみたいな句読点で離れ行く席の端っこ
花束を贈る君と並んで嗽する僕らは元合唱部
あなたの好きな色を付けた唇で結ぶ明日が鍵の代わり
木漏れ日に瞼を落とす人みたく息を整え終える計算。
街角のパン屋から出たがらない子の絵本の上で落とす瞼
流し台に垂れる性根みたいな姉の黒髪 反発する音
消印の上をさまよう母の名で卵を溶いた娘全員
母に宿し喉の仏にビールを注ぐ弟となりて飲む
角張った椅子の中ほど通り抜け背筋を伸ばす猫の微睡
北極に住まう熊より真っ白な回想済ませ見殺しにする
端役のあなたが生きる人生と、自害を果たす舞台の「私」。
僕以外、死んだも同然に扱う 指の震えも撮った日の出
萎んでくきみのソコココ洗い終え履いた下着と朝焼けダンス
短歌修行3